同じ1個でも、製造原価が違う場合とは

前講までの総合原価計算(単純総合原価計算)では、

単位当たり製造原価=完成品総合原価÷完成品数量

で完成品単位原価を計算しました。

単純に数量で割ればいい、というわけにいかない場合があります。

例えば、飲料。

みかんを絞ってみかんジュースを製造する場合を考えてみます。

最終製品は、200mlパック、350ml缶、1リットルパックというラインナップだとします。

でも、中身はみんな同じみかんジュースです。

3サイズのみかんジュースを各1本ずつ計3本製造するとして、3本トータルで総製造原価が¥465かかったとします。

1本当たりの単位製造原価(単価)はいくらでしょうか?

¥465÷3本=@¥155/本

でいいでしょうか。

1リットルでも200mlでも製造原価が同じはずはありませんよね。

では、どうしたらいいか?

等価係数とは

缶や紙パックの包装材料などを無視して、中身のみかんジュースだけで考えれば、製造原価は内容量に比例するはずです。

つまり、1リットルを1としたら、350mlなら1リットルサイズ0.35本分、200mlなら1リットルサイズ0.2本分という割合になるはずです。

このように、あるサイズを基準にして、その基準サイズに換算した数値(上記の例でいう、1、0.35、0.2のこと)を等価係数といいます。

上記のように、等価係数を使って量をそろえると、製品の単位は3本ですが、1リットルサイズに換算すると、1.55本分であることがわかります。

1リットルパックは1.55本中の1本分なので、1本/1.55本

350ml缶は1.55本中の0.35本分なので、0.35本/1.55本

200mlパックは1.55本中の0.2本分なので、0.2本/1.55本

これらを、完成品総合原価にそれぞれ掛けてあげます。

1リットルパック:完成品総合原価¥465×1/1.55=¥300

350ml缶:¥465×0.35/1.55=¥105

200mlパック:¥465×0.2/1.55=¥60

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