前講では、減損が月末仕掛品よりも後で発生する場合の総合原価計算を、平均法で解いてみました。
今回は、【設例7】を先入先出法で解いてみましょう。
【設例7‘】 次の資料に基づいて、完成品総合原価及び完成品単位原価を先入先出法により計算しなさい。 |
月末仕掛品原価の計算の前までは、前の【設例7】平均法と同じなので、復習のつもりで、自力で解いてみてください。
【手順1】仕掛品ボックス(平均法と同じ)
【手順2】数量の整理(平均法と同じ)
【手順3】金額(原価)の計算
先入先出法なので、月初仕掛品よりも新しい当月投入分の単価を使って、月末仕掛品原価を計算します。あとは、借方合計から月末仕掛品原価を引いて、減損費込みの完成品原価を算出します。
【手順4】直接材料費と加工費を、完成品総合原価と月末仕掛品原価に整理
【月末仕掛品原価】
直接材料費:当月投入@¥150/個×80個=¥12,000
加 工 費:当月投入@¥544/個×32個=¥17,408
月末仕掛品原価=直接材料費¥12,000+加工費¥17,408=¥29,408
【完成品総合原価】
直接材料費:借方合計105,000-月末仕掛品原価¥12,000=¥93,000
加 工 費:借方合計403,104-月末仕掛品原価¥17,408=¥385,696
完成品総合原価=直接材料費¥93,000+加工費¥385,696=¥478,696
【完成品単位原価】
完成品単位原価=完成品総合原価¥478,696÷完成品数量500個=@¥957.392