前講で学習したように、能率の尺度として原価の目標に使う標準原価ですが、簿記学習上は「標準原価カード」というものにまとめられます。
標準原価カードとは、ある製品を1単位製造するのに必要な、標準の直接材料費、標準の直接労務費、標準の製造間接費をまとめたものです。

例えば、上記の標準原価カードで標準原価を設定される製品の場合、これを1単位製造するのに¥3,000が標準、つまり¥3,000以内でコストをおさめましょう、というものになります。
その¥3,000の内訳が直接材料費¥300、直接労務費¥1,500、製造間接費¥1,200となっています。
「あれ?直接経費はどこいった?」
と思われるかもしれません。もちろん、直接経費が発生する製品であれば、それも標準原価カードに示されるでしょう。しかし、日商簿記検定の出題では、上記のように3種類のコストで構成されることがほとんどです。
例えば、上記の標準原価カードで標準原価が設定される製品を200個製造する場合の200個分の標準原価は、
完成品総合原価:@¥3,000/個×200個=¥600,000
うち直接労務費:@¥ 300/個×200個= ¥60,000
直接労務費:@¥1,500/個×200個=¥300,000
製造間接費:@¥1,200/個×200個=¥240,000
と計算されます。