いろいろな労務費
労務費関係はコトバ使いを覚えなくてはなりません。
ここまででも「賃金」と「給料」というコトバが出てきましたが、どう違うのでしょうか?
また「給与」と「給料」いうコトバはどう使い分けるのでしょうか?
以下、日商簿記検定2級本試験合格のために必要な労務費用語を整理しました。以下は、合格のためには覚える必要があります。
(1)賃金
工員に支給される給与のこと。賃金はさらに、直接工賃金と間接工賃金とに分けられます。ところで「工員」って?「給与」って?・・・後述します
(2)給料
工場事務員や工場監督者など、工場で製品製造に直接従事しない従業員に支給される給与
(3)雑給
パートタイマーに支給される給与
ここまででお分かりのように、「給与」とは、工員・スタッフ・パートタイマーに共通して支給される給金のことです。
(4)従業員賞与手当
工場の従業員に支給される賞与(ボーナス)や各種手当(住宅手当、家族手当等)
(5)退職給付費用
工場従業員の退職金支払いに備えて積み立てられ、費用計上されるもの
(6)法定福利費
工場従業員に係る社会保険料の会社負担分
・・・社会保険料の会社負担分=法定福利費の復習はこちらへ(「スキマ時間で簿記3級!」へ)
工員(直接工と間接工)とは
工場で働く正規従業員には、工員と工員以外がいます。
- 工員:製品の製造作業に従事する従業員
- 工員以外:工場事務員や工場監督者(工場長等)など、製品製造に従事せず、管理監督業務に従事する従業員
工員は、さらに直接工と間接工に分けられます
- 直接工:製品製造に直接従事する工員(例:切削、組立、塗装、圧延など)
- 間接工:製品製造に間接的な作業に従事する工員(例:修繕、運搬など)
直接労務費か間接労務費かの分類法
労務費で覚えるべき知識事項として、最も重要なのは、その労務費が直接労務費なのか間接労務費なのかという分類の仕方です。
日商簿記検定2級本試験で問われる、さまざまな労務費の直接労務費か間接労務費かの分類は、次の表のとおりです。
【直接労務費/間接労務費分類の一覧表】
要するに
「直接工賃金の直接作業時間分だけが直接労務費(=仕掛品)で、それ以外の労務費は全部、間接労務費(=製造間接費)」
と覚えておけばOKです。
紛らわしいのは、境界です。
直接工賃金であっても、間接作業分や手待時間(勤務時間ではあるが、次の材料や指示があるまで待機しているなど、稼働していない労働時間)は、間接労務費(=製造間接費)になる、というところに注意です。