この講で学習する内容
・原価計算の4つのステップ

 

前講で学習したように、製造原価はものづくりの進捗度合に応じて、材料費・労務費・経費から仕掛品、製品、売上原価というプロセスをたどるのでした。このプロセスに合わせて、原価計算も次のように4つのステップでそれぞれ計算されることになります。

ステップ1.費目別計算

最初のステップでは、各費目別に、形態別に材料費・労務費・経費に分類し、さらに製品の関連における分類により直接費と間接費に分類し、前者は「仕掛品」勘定へ、後者は「製造間接費」勘定へそれぞれ振り替えます。

ステップ2.製造間接費の配賦

ステップ1において一旦製造間接費に振り替えられた間接材料費、間接労務費、間接経費について、部門別計算(後で学習します)などの基準により各製品に配賦します。ただし仕訳上は、「製品A」「製品B」「製品C」・・・というように科目名が通常分かれていないので、すべて「仕掛品」に仕訳することになります。

ステップ3.製品別計算

各製品ごとに完成品、未完成品の原価を計算します。

製品別の原価計算方法としては、生産形態により大きく分けて

・個別原価計算(受注生産向け)

・総合原価計算(見込生産・大量生産向け)

の2種類があります

ステップ4.売上原価計算

ステップ3で計算された完成品原価のうち、販売に至ったものの原価を売上原価に振り替えます。

「原価計算の4ステップ」のまとめ
・第1段階は、費目別計算(形態別分類×製品との関連による分類)
・第2段階は、製造間接費配賦(部門別計算)
・第3段階は、製品別計算(個別原価計算・総合原価計算)
・第4段階は、売上原価計算

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