直接労務費の単価と数量とは?

前講では、直接材料費差異に関して、それぞれ単価要因(=価格差異)と数量要因(=消費量差異)に分けて差異分析しました。

次に、直接労務費差異はどうでしょうか?

こちらも単価と数量に分析します。

労務費でいう単価とは時給です。これを賃率といいます。

労務費でいう数量とは、作業時間です。

つまり、

① 単価(賃率)に関する標準と実際との差異 → 賃率差異

② 数量(作業時間)に関する標準と実際との差異 → 時間差異

の2種類の差異に分けられます。

賃率差異と時間差異の算出式

①の算出式は、

直接労務費の賃率差異 = (標準賃率―実際賃率)×実際作業時間

②の算出式は、

直接労務費の時間差異 = 標準賃率×(標準作業時間―実際作業時間)

です。

覚えられますか?

前講の直接材料費差異でいう「価格」が「賃率」に、「消費量」が「作業時間」に置き換わっただけですね。

算出式の覚え方は、直接材料費差異の差異分析のときと同じなので、直接材料費差異分析の講を参照ください。

それでは、日商簿記検定2級本試験レベルの問題で、直接労務費差異を賃率差異と時間差異に分析する具体的な解き方をマスターしましょう。

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