前講では、部門別計算の第2次集計における2種類の配賦方法のうち、相互配賦法の場合の1回目の配賦について配賦計算と配賦表への記載、仕訳方法について学習しました。

ここでは、前講の【設例4】の続きで、2回目の配賦を学習します。

【設例4】(再掲)
次の資料に基づき、製造間接費部門別配賦表を作成し、各補助部門費勘定から製造部門費勘定へ振り替える仕訳を行いなさい。なお、補助部門費の製造部門費への配賦は相互配賦法により行う。
 

相互配賦法・2回目の配賦計算方法

第1次集計により部門個別費・部門共通費として集計された部門費のうち、補助部門の動力部門費¥3,000、修繕部門費¥5,000、工場事務部門費¥6,000について、前講で第1回目の配賦をおこなったわけですが、1回目の配賦では補助部門に対しても配賦したので、動力部門費は¥1,400、修繕部門費は¥800、また残ってしまいました。

部門別計算の第2次集計は、補助部門費を残らず製造部門費に配賦することでした。ですから、まだ補助部門費が残っているのでは、次の第3次集計に行けません。

そこで、相互配賦法では、もう1回、補助部門からの配賦計算(第2回目)を行います。今度は、もう補助部門に部門費が残らないように、補助部門への配賦はせず無視して、直接配賦法と同じように、製造部門だけに配賦します。

現時点で、動力部門費¥1,400と修繕部門費¥800が補助部門に残っています。これを、直接配賦法で、製造部門だけに配賦し、動力・修繕の部門費は残高ゼロにします。

配賦基準である電力消費量と修繕回数も、今度は直接配賦法と同じなので、製造部門だけで計算します。

動力部門費¥1,400÷電力消費量70kwh(修繕部門除く)=@¥20/kwh(配賦率)

→第1製造部門へ:@¥20/kwh×30kwh=¥600

→第2製造部門へ:@¥20/kwh×40kwh=¥800

修繕部門費¥800÷修繕回数4回(動力部門除く)=@¥200/回(配賦率)

→第1製造部門へ:@¥200/回×2回=¥400

→第2製造部門へ:@¥200/回×2回=¥400

相互配賦法・配賦2回目の配賦表への記載方法

最後に、第1製造部門と第2製造部門を上から下に合計します。部門個別費・部門共通費合計から、補助部門費第1次配賦額、第2次配賦額をすべて合計して、製造部門費合計欄を埋めます。

最後に、今の第2回目の補助部門費からの配賦の仕訳を示しておきます。

相互配賦法・配賦2回目の仕訳

【相互配賦法・配賦第2回目の仕訳】

(借)第1製造部門費 1,000 (貸)動 力 部 門 費 1,400

   第2製造部門費 1,200    修 繕 部 門 費  800

勘定記入と勘定連絡図は、配賦第1回目と合わせると複雑になり、読み解くのが大変なわりに、日商簿記2級では覚える必要が少ないので、省略します。

これで、補助部門の部門個別費・部門共通費は全て、第1製造部門費と第2製造部門費に配賦されました。

さあ、これで第2次集計がすべて終わりです。次はいよいよ最終段階の第3次集計です。

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