前講では、部門別計算の全体像と大きな流れについて学習しました。

その中で、部門別計算では大きく分けて、

  • 第1次集計
  • 第2次集計
  • 第3次集計

という、3ステップの計算・集計の段階があることをお伝えしました。

ここからは、実際の日商簿記検定2級本試験で出題されるような具体的な設例を使って、第1次集計~第3次集計まで学習していきます。

まずは、第1次集計から具体例を使ってみていきましょう。

第1次集計~部門個別費の配賦表への集計

【設例2】
次の資料に基づき、製造間接費部門別配賦表(部門費の集計まで)を作成し、製造間接費勘定から各部門費勘定へ振り替える仕訳を行いなさい。  

資料で与えられた各部門の部門個別費と、全部門に共通して発生する部門共通費を、部門別配賦表に埋めていく問題です。

まず、部門個別費については、資料において各部門ごとに金額がそれぞれ与えられているので、部門別配賦表の各部門の部門個別費欄にそのまま転記するだけです。

次に、部門共通費(本問では建物減価償却費と水道料)は、5部門トータルでの総額しか資料で与えられていないので、配賦基準を使って、5部門に配分します。

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