等価係数の復習
前講では、異なるサイズの製品を1単位ずつの場合(1本ずつ3サイズ)で、等価係数を使った等級別総合原価計算の仕方を学習しました。
この講では、異なるサイズの製品がもっとたくさんある場合の等級別原価計算をしていきます。
前講と同じみかんから3サイズのみかんジュースを製造するのですが、
1リットルサイズ:10本
350mlサイズ:20本
200mlサイズ:30本
製造し、トータルの完成品総合原価が¥4,600だったとします。
等価係数はそれぞれ、いくらになりますか?
前講と同じですね。
1リットルサイズ=1、350mlサイズ=0.35、200mlサイズ=0.2
です。今回は、それぞれ複数本あります。
1リットルサイズは10本です。
350mlサイズは20本ありますが、1リットルサイズに換算すると、
20本×等価係数0.35=7本
つまり、1本が1リットルサイズ0.35本分でそれが20本なので、トータルで1リットルサイズに換算すると7本分になります。
同様に、200mlサイズの場合は、
30本×等価係数0.2=6本(=1リットルサイズ6本分)
積数とは
今計算した、
実際の数量×等価係数
のことを、積数といいます。
上図のように、1リットルサイズ10本、350mlサイズ20本、200mlサイズ30本でトータル60本ですが、それぞれ等価係数を掛けた積数にすると、トータル23本になります。つまり、1リットルサイズに換算するとトータル23本分という意味です。
積数を使った等級別総合原価計算の原価配分の仕方
この積数を使って、完成品総合原価¥4,600をそれぞれのサイズのみかんジュースに配分します。
1リットルサイズは、トータル23本分のうちの10本分なので10/23
350mlサイズは、トータル23本分のうちの7本分なので、7/23
200mlサイズは、トータル23本分のうち6本分なので、6/23
これらを完成品総合原価に掛けて、各サイズの製造原価を配分計算します。
1リットルパック:完成品総合原価¥4,600×10/23=¥2,000
350ml缶:¥4,600×7/23=¥1,400
200mlパック:¥4,600×6/23=¥1,200
これをさらに、各サイズの実際の本数で割れば、各サイズの単価が出せます。
1リットルパック:¥2,000÷10本=@¥200/本
350ml缶:¥1,400÷20本=@¥70/本
200mlパック:¥1,200÷30本=@¥40/本
以上のように、中身は同じでも、最終製品のサイズや分量等の違いにより、等価係数や積数を使って原価計算することを、等級別総合原価計算といいます。