個別原価計算のセクションで、各製品に共通して発生した製造間接費を、製造指図書№101と№102にいくらずつ配分(配賦)するかということを考えました。

(参考・・・個別原価計算「製造指図書への配賦」の講へ

【設例1】(再掲)
製造間接費¥5,500は、次の直接作業時間をもとに、各製造指図書に配賦する。
[資料]
直接作業時間:製造指図書№101・・・12時間        
       製造指図書№102・・・10時間

個別原価計算の講で登場したときには、製造指図書№101の製品と№102の製品をつくるのにかかった時間を基準に、製造間接費を分けました。

この№101と№102が、同じような工程で同じような作り方をしているのであれば、製造するのにかかったトータル時間で比べればいいのですが、例えば№101の方は、直接材料と直接作業だけの、製造間接費があまりかからない部門でつくられ12時間かかったのに対し、№102の方は、最新鋭の設備で減価償却費も光熱費の消費も大きな部門で10時間かかっていたとしたら、どうでしょうか?

単純に12時間と10時間で比べて、№101の方に多く製造間接費を配分することは、製造原価が実態を反映していることになるでしょうか?

そこで、複数の工程や部門で製品を製造する工場では、製造間接費がたくさんかかる部門や、そうでもない部門で、製品に配賦する製造間接費にも差をつけるため、各部門ごとに製造間接費を計算し、どの部門でどれだけ作業したかに応じて、それぞれの製品の製造間接費に反映させるような計算をします。これを「部門別計算」といいます。

それでは次に、部門別計算の大きな流れ・手順を見てみましょう。

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